オリンピックのサッカーの決勝で、最後ドイツとブラジルで1-1のままPK戦になった。結果ブラジルが勝って、開催国ブラジルのことを考えると、よかったねえ、という感じで終われたのかなと思う。
このPK戦が出てくると。奥田英朗さんのエッセイを思い出す。
今まで前半、後半、延長戦と戦ってきたのに、それでも決着がつかないと、PK戦という別のもので勝敗を決めてしまうのが理解できないと、サッカーを見ないアメリカの人は思うのだという。そんなもので決めるくらいなら、あと、30分でも1時間でも決着つくまでやればいいのにと。
確かに、野球で延長12回を戦って決着がつかなかったので、最後はホームラン競争で勝敗を決めますとなったら、大ブーイングだろう。
さらに、柔道。時間内に勝負がつかないと、最後は旗判定。審判が旗を上げて、どちらが優勢だったかをジャッジ。採点の基準があるわけではなく、勝敗は審判にゆだねられる。要は審判の印象によって決まる。そんなもので金メダルを決めるのかと、アメリカの人にはさっぱりわからない。
巨人対阪神戦。優勝を決める大一番で、同点で決着つかず、最後は審判による旗判定。赤が2本で巨人の優勝。なんてことになったら御堂筋は大暴動だろう。
あと剣道は面や胴や小手にしないがあたれば一本。だけど、ただあたるだけじゃダメで、ビシッとあたらないとダメ。でもこの「ビシッ」の基準がわからないから、国際化が難しいだろうとか。
そういう話が出てきて面白かった。90年代に書かれた文章なので古い感じはあるし、変わっていることもあるが(今は柔道も旗による判定とかやってないし)、全部スポーツの話なので、今読んでも十分面白い。おすすめ。
日本がかなり曖昧な文化を生み出しているということもあるけど、アメリカも異常に曖昧さを受け入れない国だなと思う。
確かに、アメリカって、柔道は人気がないし、芸術点を競うような、シンクロとか、新体操みたいな競技が強い印象はない。ルールにちょっとでもはっきりしないところがあると、アメリカでは流行らないのかもしれない。
サッカーなんて、アメリカでも盛んであっておかしくないのに、アメリカのサッカーがあまり強くないのはひょっとしてPK戦のせいなんだろうか、などと勘ぐってしまう。
0 件のコメント:
コメントを投稿