「魔法」について

アニメやゲームの世界では「魔法」がよく出てくる。

「『魔法』が普通に存在する世界」などというキャッチコピーもよく目にする。


でも、僕が思うに、もし本当に魔法が普通に存在する世界があったら、おそらくそれは、「魔法」とは呼ばれない。


今、地球で暮らしている我々が思う科学や、物理の常識から逸脱した、不思議なことが「魔法」と呼ばれるのであって、それが普通にあるのなら、それは、科学や物理の範疇になる。どんな不可解な現象であれ、何度も再現可能であれば、それは、「そういうものだ」と認められることになり、「魔法」という概念にくくられることはない。一つの「現象」と見なされる。


例えば「磁石」は不思議な動きをするけど、別に「魔法石」とは呼ばれていない。磁石は「実際に存在する」から、だれも魔法だと思っていないのである。


アニメやゲームに出てくる魔法も、もし本当に存在していたら、誰も魔法だとは思わない。


これは、つまり、言葉の使い方の問題だ。


物語を作るとき「よし『魔法』が出てくる話にしよう」と考えている人は、少し、そのことを考えて「魔法」という言葉をすぐ採用せず、オリジナルの概念を作ってみるなどすると、独特な世界観が生まれてよいのではないだろうか。

0 件のコメント:

人気の投稿