悔しい気持ちを味わいたいときは、
スーパーに買い物に行く前に、まず、買うものを全てメモし、そのメモを家にわざと置いていく。
そして、買い物を終えて帰ってきたら、そのメモを見るのである。
「ああああ、お茶買うの忘れたああ」
と、悔しい思いが出来る。
思う存分、その悔しさを楽しめばいい。
「でも、買い忘れなかったら、悔しくないじゃん?」
ご安心を。
これで、一つも買い忘れがなければ、
「ああ、なんて自分は優秀なんだろう」
と、悦に入ることが出来る。
10個前後ある買い物リストの一つも忘れずに買えるなんて、すごいことだ。
素直にその達成感を味わえばいい。
買い忘れても、忘れなくても、どちらにしても、楽しめる。やって損はない。
文明が発達して、多くの人が、スマホを持つようになった。
買い物メモなどが使えて、買い忘れがなくなる。
果たして、それはいいことなのだろうか。
ただただ、日常が何事もなく淡々と過ぎてゆくだけ。
悔しい思いもすることも出来ない。
たまには、買い忘れるくらいの悔しい思いをしてみたらどうだろうか。
苦いものがおいしいと感じるように、適度に悔しい気持ちも味わってみるのも、なかなかのものである。
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