50歩逃げたやつが、100歩逃げたやつを「あいつ100歩も逃げやがった」と笑ったが、「お前も逃げてるじゃないか、同じだろ」ということで、「大差が無い」「どっちもどっち」みたいな意味で使われる言葉だ。
ただ、僕は50歩と100歩はかなり違いがあると思うのである。
同時に逃げ出す二人。
そのうちの一人は50歩逃げた段階で、「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」と立ち止まり、ネルフに引き返す。50歩の道を引き返し、「僕をエヴァに乗せてください!」となる。
50歩の方が戦い始めたその頃。もう一人は、さらに50歩逃げている。ここで「逃げちゃダメだ」と思い直し、ネルフに引き返すとしても、100歩の道を戻らねばならない。
そいつが100歩の道を戻る間も、50歩の方は戦い続けているのだ。
一度は逃げたが、戦場に戻るものと仮定すると、50歩と100歩は、戻るまで、時間にして4倍の差がつくのである。この差は大きいじゃないか。
場合によっては100歩逃げた方が正解で、その50歩の差が生死を分ける時もあるだろう。この言葉が生まれたケースでは、どちらも無事だったからこそ「二人とも逃げたことには変わりない」などと悠長に言えるが、それはあくまで結果論にすぎない。
50歩逃げるか、100歩逃げるか、そういう選択の積み重ねが人生を左右するということを忘れてはいけないのである。
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