朝、目が覚めて、いつものように布団の中でうとうとしていると、いつの間にか恐ろしい悪夢の世界に入りこんでいた。
僕は、どうやら学生で、修学旅行のような、団体での旅行に参加しているようだった。
旅館のようなところに入っていくと、食堂らしき広間の前で従業員らしきおばちゃんが「食事のご用意できてます」みたいなことを大声で呼びかけている。
広間に入ると、テーブルには既にお盆に載った食事がずらりと配膳されていて、生徒たちは、おのおの好きな所に座って食事を取るらしかった。
僕も、適当に端っこの方に座ろうと、端っこの席に向かって歩き出す。でも、そこには別の生徒が先に座ってしまい、僕は別の席を探さなければならなかった。
しかし、すでに多くの席が埋まっていて、空いている席はなかなか見つからない。
見知った顔の男子生徒の横が空いていたので、そこにしようとしたが、彼は、僕が席を探しているのを一瞥すると、あとから来る友人のためか、そこに手荷物を置いた。そこもあきらめざるを得なかった。
そうだ。僕には友達がいないから、いつもこうなるんだった・・・・・・。
空いていそうな席を見つけても、「そこ空いてる?」と聞くのが怖くて、ためらっているうちに、どんどん席は埋まっていく。
少し離れたところに、空席を見つけたが、そこは女子生徒が固まって座っているテーブルの女子のグループとグループの間に自然に出来た一席で、そこに座るのは嫌だった。
他を探さなきゃ。見回すと、みんな楽しそうにワイワイそれぞれの友達と話している。
そうしているうちにも時間は過ぎ、どんどん選択の余地はなくなっていく。
こんなことなら、食べ物なんていらないのに・・・・・・。
絶望的な気持ちで、あてどもなく、さまようしか僕にはできることはない。
我ながら、驚くほどリアリティのある夢だと思う。
それもそのはずだ。僕は実際に、毎日そういう学生生活を送っていたのだ。
団体行動では必ずそういう目に遭う。バスに乗ることになれば座る場所はなく、屋根の上の方がどれだけ楽だろうといつも思っていた。
久しぶりに「あの気持ち」を思い出した。
今もこの国には、あの頃の僕のように「あの気持ち」で苦しんでいる人がきっと大勢いるのだろう。
僕に、彼らを救うことはできないだろうか。いや、「救う」などおこがましいことは言いたくない。彼らには自分で道を切り開く力があるはずだ。それをどうにか伝えたい。
僕が生きているうちに、その仕事はやりたいと思う。
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