しゃっくり

昨日は一日中しゃっくりが止まらないという現象が起こった。正確には、止まったと思ったら再発を一日のうちに何度も繰り返していた。

昨日は一日、何をしていたかと刑事さんに訊かれたら、「しゃっくりをしていた」と答えてもあながち嘘ではないくらいだった。

前回書いた、砂糖を飲む止め方も試してみたがダメだった。

しゃっくりもこう出続けると、喉が痛くなってくるし、呼吸も苦しい。仕事中も出ていたので恥ずかしかった。「音姫さま」みたいなやつのしゃっくりの音を消してくれるやつが欲しいくらいだった。ボタンを押すとスピーカーからずっと「ヒック、ヒック」音が流れ続けて、自分の音がまぎれるやつ。

あまり長い時間続くので、これはおかしい、何か病気なのでは? と、ネットでしゃっくりをもう少し詳しく調べる。

「長時間続くしゃっくりは、以下の病気の可能性がある。食道がん、胃がん、脳腫瘍・・・・・・」

がん・・・・・・、脳腫瘍・・・・・・。

念のため「本当は怖い家庭の医学」を「しゃっくり」の項目で調べたら、それで死んでしまう人の話が紹介されていた。

ああ、やっぱり・・・・・・。僕は、もう助からないかもしれない。

レントゲン写真を見ながら、深刻な顔をした医師と僕の姿が脳裏をよぎる。

寝る前、布団の中で、生きているだけでも幸せなんだという気持ちを強くかみしめていた。

人はやれ、金だ、名誉だと口にしては、より多くを得ようと、人を貶め、踏み台にして、欲の化身となっていく。しかし、目を覚ませ。今、自分が、誰より優れていて、誰より劣っているなんて、これから死んでしまうとしたら、どうでもいいことじゃないか。ただ、生きているだけで、それだけで十分なのに。

朝起きると、すっかり、しゃっくりは止まっていた。どうも大丈夫らしい。ちょっと、胃とかの調子が悪かったから、しゃっくりが止まりにくかったのかな。

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