郷ひろみが、上半身裸でイベント会場に現れた。大型スーパーのようなところだろうか。
もともと郷ひろみさんはいい体をしているが、さらに鍛え上げられ、SASUKEに出てる人のようにムキムキだった。
傍らには、その上を行くような、笑えるくらい分厚い胸筋のマッチョな外人の男がいる。
その男の腕にペアスケートのリフトのように持ち上げられた郷ひろみは、頭の上にのばされた男の腕の上で、そのまま、片手だけで体を持ち上げ、力倒立を披露した。
「すごい」
「わあ上手」
次々と観客が感嘆の声をあげる。
僕は「”上手”って」と苦笑しながらも、たしかにすごいなと感心しながら見ていた。
ストンと着地すると、イベントの主催者か司会者かわからない外国人が何か手で合図を出す。
その合図が「ここから先が見たければ、チケットは5千円」という意味だと気づいた僕の後ろで見ていた女が興奮気味に「あ、5千円ってことね、絶対見る!」と声をあげ、その周りにいた女たちも、キャーキャー黄色い声をあげながら、チケットを買いに走っていった。
「なんかサクラっぽいな」と思ったが、まあ、サクラでも本物でもどっちでもよかった。
その場にいた大多数が続きを見るためチケット購入に走る中、僕は一人、逆方向に歩き、その場をあとにした。
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