僕はなでしこジャパンを誤解していた

イギリスとの時差を恨みながら、オリンピックを観戦する日々である。みんなでオールをこいで、日本をもう少しイギリスに近づけてもいいんじゃないかと思う。

6日の深夜も、寝不足覚悟で、なでしこジャパンの準決勝、フランス戦を見ていた。実は、なでしこジャパンの試合をちゃんと見るのは今回が初めてだ。いままでは、ニュースで結果だけ知ったり、ゴールシーンのみ見た程度である。

結果は見事、フランスに対して、勝利を飾り、決勝に進出したわけだが、僕のなでしこジャパンに対するイメージは変わった。僕はなでしこジャパンを誤解していた。

ワールドカップ優勝。そしてオリンピックも、ここまで順調に勝ちあがってきた。そのことから、なでしこジャパンは、世界王者級、世界屈指の強さを誇る強豪というイメージを持っていた。

だが、フランス戦で、僕の見たなでしこは、思っていたような、相手を圧倒するような強さではなかった。

この試合、押していたのはフランスで、特に後半は激しくフランスに攻め込まれ、日本は防戦一方、何度もピンチを迎える苦しい展開だった。最終的に、シュートの数、日本4に対して、フランス27。この数字を見ても、苦しい戦いだったことが見て取れる。

それでも日本は2ー1で勝利している。これは何なんだろう。

調べてみると、その前のブラジル戦も、ワールドカップのドイツ戦やアメリカ戦も、やはり、相当攻め込まれる苦しい展開だったらしいのである。実力が上といえる相手に、不利な試合展開の末、勝利していたのである。格闘ゲームのラスボスを倒すみたいなギリギリの勝利を、何度も何度も重ねていたのだ。その難しさは、実力の劣る相手に普通に勝つことの比ではないはずだ。

これらは、運が良くて勝ったのだろうか? もちろん勝負に運はつきもの。だが、フランス戦を見る限り、それだけには見えなかった。

4本のシュートのうち、2本は決まり、残りの2本も確実に相手ゴールを脅かすものだったところからも、少ないチャンスでしっかり決めていることがわかる。その勝負強さとゴール感覚。守るべきときには組織的にしっかり守る守備力。相手をしっかり研究して、各選手がやるべきことをやるという、準備と戦略。そしてなんといっても、勝利への執念と精神力。これらがそろっているからこその勝利と言えるだろう。

なでしこジャパンは確かに強かった。でも、その強さは、単純なサッカーのレベルの高さというより、ちょっとでも気を抜いたら、やられてしまうような試合の中で、強い執念でゴールを死守し、不利な試合をも、ものにしてしまう強さ、もっと大袈裟に言えば、不可能を可能にする強さだった。

彼女たちは、僕の想像以上にすごいことをやっていた。

なんと素晴らしいことだろう。たった1試合見ただけで、ここまでわかったようなことを言える僕って。

次の決勝、アメリカ戦で、この強さが本物であるところを見せてほしい。

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