すごい表現者の表現って、「自分はこれじゃなきゃ生きていけないんだ」というすごみがあるよね。
僕なんかは、そういう意味ではちょっと器用すぎるのかもしれない。
「これじゃなきゃ生きていけない」なんてものもないくせに、「何をやらせてもすごい」まではいかない。結局何もできないのと同じ結果。
こんなイメージがわいてくる。
いついつまでに、行きたいところがある。駅に行って、電車かバスかどっちかに乗れれば、間に合うぞ!
今の時間なら、どっちかに乗れるだろう。
電車に間に合いそう!
と思ったら、ギリギリ間に合わなくて、乗り遅れる。
でもまだバスなら間に合う!
と思ったら、やっぱりギリギリで乗り遅れる。
ああ、はじめからバスに乗ると決めていたら、あるいは、「電車に絶対に乗る」という意思がもっと固かったら……。
「まあ、ゆっくり歩いて行けばいいじゃない。それだって、きっと楽しいよ。時間が遅くなったって、行きたい場所に着かないわけじゃないんだから」
負け惜しみのようにも聞こえる言葉が、しっくり、腑に落ちる形で居座っている。
こんな考えだと、行きたい場所にもギリギリで着かないんじゃないか。
怖いことに、そんな人生が、自分にあまりに似合いすぎているような気がしてしまう。
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