ソチオリンピックのカーリング

ソチオリンピックが盛り上がっている。

羽生選手の金メダルなどが注目されたが、僕が一番注目していた競技はカーリングだった。

面白い。

いままで、あまりカーリングのことを考えずに過ごしてきた。今思うと、カーリングに対して、すごく失礼な態度だったと思う。

見たことがなかったわけではなかったが、改めて見てみると、ルールのおもしろさに感動する。

他のスポーツのように、目先の一点を積み重ねればいいというものではない。10エンドまでやって、点の多い方が勝ちというルールなので、点差を考えながら、有利な後攻を取るために、あえて相手に一点を取らせたり、点差を守るために、点を取りに行かず、相手にも点を与えないようにしたり。そういう戦略性がまず面白い。

さらに、チャンスとピンチが表裏一体で、一投一投ごとに展開は大きく変わって、最後まで何が起こるかわからない。そこから生まれる、緊張感。

その緊張感マックスの大事な局面で、狭い隙間をぬってピンポイントでねらったショットが決まった瞬間の、歓喜と興奮と解放感。

上手いことできてるなあと思う。

ただ、一つ、このルール嫌だなあと思うのが、投げたストーンを滑らせるために氷をブラシでシャカシャカやるやつ。あれを円の中心のラインを過ぎたところから、相手がやってもいいというルールだ。

投げたやつがちょっと強すぎて、どうか止まってくれと祈っているときに、相手にそれをやられると「余計なことすんじゃねーよ」と腹が立ってしまう。

カーリングは互いに相手に敬意を払いながら、相手がいいショットを放てば「さすがですね。そうきますか」と素直にたたえられるようなところがいいところなのだ。だから、あまり相手を嫌いになりたくない。相手の行為に腹を立てたくない。ストーンが止まるまでは互いに相手の番をそっと見守る形にしてほしい。

あと、小笠原さんと船山さんはとても魅力的だった。惚れてしまいそうなほどに。カーリングはメンタルな競技だから、その精神の強さとか、頼りになる感じとか、内側から来る魅力が大きいのだと思う。

小笠原選手がああいうプレッシャーのかかる場面で投げている。そのときに船山選手がバイススキップとして投げるところをブラシで指し示す立ち姿に、何かじんとくるものがあった。この二人は中学の頃から一緒にカーリングをやってきた戦友で相棒。そういう背景を知るとますます感動的だ。映画の『シムソンズ』も見たことがあるのでなおのこと。

ということで、今回のオリンピックのカーリングは相当真剣に見入ってしまった。今後メダル争いができるくらい強くなったらいいのになあと、願っている。日本に天才プレイヤーみたいなやつ出てこないかなあとか。


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